口蹄疫とその対処とその評価

 種牛も感染していたとしたら、病原体を更に広げてしまった可能性も有るということですかね。
 そう言う事態も有り得る故、政府は種牛の避難を渋ったという側面も有るでしょうに。

 素人考えの結果論ですが。
 取り得るべき最善手(誤診による見過ごしの件はおいておくとして)は、問題の地域における(現状よりは狭くて済む筈)、全部の牛豚への殺処分だったような気がします。
 そんなことが、県や国に可能だったかどうかは、疑問ですけど。
 やっていれば、非難轟々だったでしょうね。

 殺処分された牛や豚の数が半端ではないので、「対応に失敗して拡大の一途」と言う風に見えますが。
 口蹄疫の被害としては、これは普通です(10年前が異常に幸運)。
 実の所、蔓延の範囲は、さして広がっていません。
 押さえ込むのに、辛くも成功している状況ではないでしょうか(勿論、予断や油断は禁物です)。


 ところで。
 もう夢中で、政府(民主党政権)を叩いておいでの方々が目立ちます。
 「民主党」との言い方をされる人がおいでですが、政党自体には、こういう事態に対処する義務は無いのです。
 この場合は、「政府」とか「農水省」と言うべきです。

 そして、少し調べればデマと判ることを日記に書かれたり。

 状況を悪用して、反対している政党を中傷したいって魂胆が見え見えですな。
 只々、嫌いな政党を叩きたいのでしょう。
 事態や現地の皆さんを心配している訳ではなく、利用したいだけ。
 屑としか言い様が無い輩が、居るものですよ。


 以下は、10年前と今回との、両政府の比較です(県の行動についての記述も含みます)。

参考
・2000年の自民党政権口蹄疫への対応と、民主党口蹄疫への対応を比較
http://anond.hatelabo.jp/20100511231152

 俯瞰してみますと、「口蹄疫感染の疑いを発表」を起点として、0日目からの当初の国の対応には、前回も今回も、素人目には、大差は無い様に考えられます。

 違いは、まず、問題となった地域が、前回は農家のまばらな地域で、今回は農家の密集地帯である点。
 そして、今回の病原体の蔓延ぶりが、より迅速(てか、凶悪)ということです。

 前回:農水省「今回発生した口蹄疫は空気感染の可能性が低く、感染力が一般よりも弱い」
 今回:宮崎大学「10年前に経験した口蹄疫ウイルスより高病原性の可能性が出てきました。」

という要素が大きいのでしょう。

 今回、陰性である可能性も有る豚も、沢山、検査結果を待たずして殺処分されている点から見て(今回、殺処分された動物の大半は豚です。豚が口蹄疫に罹患したら、ウィルスを、牛よりもずっと大量に発生させるそうです)、行政側も、かなり強引に入念に抑えこもうとしている観も有ります。

参考
・わが国に発生した口蹄疫の特徴と防疫の問題点
http://www.sat.affrc.go.jp/special_pgm/FMD_Japan_review.htm
(10年前の事態についての専門家の論評)


 さて、この手の問題は、法では、「家畜伝染病予防法」と「口蹄疫に関する特定家畜伝染病防疫指針」によって、都道府知事等の自治体の長に、責任と権限が有る旨、明記されています(「家畜伝染病予防法」は都道府県の「法定受託事務」にあたり、国の関与が制限されます)。

 グーグルや、mixiの日記検索で、「家畜伝染病予防法 口蹄疫に関する特定家畜伝染病防疫指針」(それと、「デマ」)などの言葉で検索してみたら、一味違う頁を見つけ易かったですね。

 徹底した移動規制に必要な国道の封鎖は、県知事の権限では無理で、国レベルの責任ではないかって意見も有りますが。
 県警による国道封鎖は、可能じゃないかと思うのですが。
 いざ事件と言うとき、県警本部が独断で迅速に検問を敷けない訳が無いでしょう。
 よしんば国レベルの許可や指示が要るとしても、それは、知事が要請を出すべきでは。
 「知事が国道封鎖を要請して、国が無視していた。或いは何日も放置していた」など、そう言う出来事のソースが有りますかね。


 以下に、法の条文が有ります。
http://www.houko.com/00/01/S26/166.HTM

《(特定家畜伝染病防疫指針)
第3条の2 農林水産大臣は、家畜伝染病のうち、特に総合的に発生の予防及びまん延の防止のための措置を講ずる必要があるものとして農林水産省令で定めるものについて、検査、消毒、家畜等の移動の制限その他当該家畜伝染病に応じて必要となる措置を総合的に実施するための指針(以下この条において「特定家畜伝染病防疫指針」という。)を作成し、公表するものとする。

《追加》平 15法073
2 都道府県知事及び市町村長は、特定家畜伝染病防疫指針に基づき、この法律の規定による家畜伝染病の発生の予防及びまん延の防止のための措置を講ずるものとする。》

《(特定家畜伝染病防疫指針を作成すべき家畜伝染病)
第一条の二  法第三条の二第一項 の農林水産省令で定める家畜伝染病は、口蹄疫牛海綿状脳症(法第二条第一項 の表十五の項に掲げる伝達性海綿状脳症のうち牛に係るものをいう。)、豚コレラ及び高病原性鳥インフルエンザとする。》


 国が主導しなければならないのは、複数の都道府県に跨る様な事態になってからではないでしょうか。

口蹄疫の対策について千葉県農林水産部畜産課に電話をしてみました - 気づきの種
http://d.hatena.ne.jp/realromantic/20100506/1273130580

《 国の対応の遅れについては見解の相違がある。国は助成しているだけで、実際の対策に関しては(消毒液を揃える等)各県が準備することになっている。》


 良く言われている、赤松農水大臣の外遊についてはこちらを。

農林水産省/赤松農林水産大臣のメキシコ、キューバ、コロンビア出張概要について
http://www.maff.go.jp/j/kokusai/kokusei/daijin_gaiyou.html

 別に、文字通り遊びに行った訳では有りません。然るべき仕事です。
 問題とすべきは、大臣の外遊どうこうではなく、国レベルで判断と指示をすべきことが有ったとして、農水省として、出すべき指示を出せていたかどうかでしょう。
 外遊に文句を言う人は多いですが、「外遊に行かずに、その期間中に、これこれこうすれば良かった」との具体的なご意見は、見たことが有りません。
 仮に、何らかの具体的な最善手が有ったとして。
 それは、大臣が電話やネットで報告を受け、指示をすることが出来ないものだったのでしょうか。
 或いは、大臣不在中の代行の臨時大臣等では、不可能なことだったのでしょうか。

 「現地入りしなかった」云々については、「現地入りして、具体的に何か実益が有るのか。ウィルスを広める危険性を増やしてどうするのだ」、としか。


 初動についても、少し意見。

asahi.com朝日新聞社):異変2度…でも「教科書と違う初期症状」 宮崎口蹄疫 - 口蹄疫の猛威
http://www.asahi.com/special/kouteieki/TKY201005180565.html

《 ただ衛生所は19日、念のために検体を国の動物衛生研究所(動衛研)海外病研究施設(東京都小平市)に送った。このとき初めて、県は国と連絡を取った。20日早朝、口蹄疫の陽性反応が出た。 》

 口蹄疫と見抜けなかったのはしょうがないとしても、「念のために」を、もっと早くにやっておいて欲しかったですね。
 隣国では現在、この国でも10年前に、発生しているのです。
 鳥インフルエンザなども有ります。
 一見して、ただの下痢でも、「原因不明」なら、神経質になって当然でしょうに。


参考

・なぜ感染拡大は防げなかったのか:日経ビジネスオンライン
http://business.nikkeibp.co.jp/politics_welcome.html?url=/article/topics/20100518/214484/
・なぜ感染拡大は防げなかったのか 働く組織
http://ryubigitoku00z.blog114.fc2.com/blog-entry-1816.html

・なすがままに... 今回の口蹄疫の流行について
http://pub.ne.jp/let_it_be/?entry_id=2932324

家畜伝染病予防法 - Kando の日記
http://slashdot.jp/~Kando/journal/507312

・宮崎の口蹄疫については冷静な対応を・悪質なデマや煽りに要注意〜岩上安身つぶやき編集 本のセンセのブログ
http://honnosense.cocolog-nifty.com/blog/2010/05/post-2def.html

・Togetter - まとめ「「東国原宮崎知事の一番弟子・早川信吾さんが知人から受け取ったメールより 」に関して検証した。」
http://togetter.com/li/21157

日本農業新聞 - e農Net 記事検索 (「口蹄疫」)
http://www.nougyou-shimbun.ne.jp/modules/search/index.php?query=%B8%FD%C4%FD%B1%D6&action=results

・家畜衛生関係法規集
http://www.sat.affrc.go.jp/joseki/Houki/Houki_menu.htm

・Human Swine Influenza
http://vetweb.agri.kagoshima-u.ac.jp/Vetpub/Dr_Okamoto/Animal%20Health/Events.htm

・ネットでの口蹄疫に関する国の対応批判や噂についてのQ&A - sincerely my thought
http://d.hatena.ne.jp/benitomoro33/20100510/p1

・公式資料から見る今回の国の口蹄疫対策の流れ - sincerely my thought
http://d.hatena.ne.jp/benitomoro33/20100514/p1

・「家畜伝染病予防法」と「口蹄疫に関する特定家畜伝染病防疫指針」から見る、農水大臣の役割 - 政治ウォッチ!
http://blog.goo.ne.jp/politics10/e/28cc953c759ae1c3d0fb3a39045989bd

・ネットでの口蹄疫に関する国の対応批判や噂についてのQ&A - 政治ウォッチ!
http://blog.goo.ne.jp/politics10/e/2fc0137181c1342aeaae6c4296ba8e2b

《Q:民主政権が韓国の豚肉の輸入解禁をしたから、今回の事態が起きた?

下記のブログを参照してください。

http://d.hatena.ne.jp/ohira-y/20100506/1273118670

また、今年1月に韓国で口蹄疫が発生し、輸入が止められました。その時のウイルスのタイプはA型です。(今回はO型)

http://ss.niah.affrc.go.jp/disease/FMD/korea_2010.html


Q:こんな時に赤松農水大臣が外遊してていいの?

法律では、特定家畜伝染病防疫指針に基づき自治体が対策するよう定めています。

5月11日訂正:臨時大臣に任命されたのは、福島みずほ大臣だけでした。

また、外遊の際には、臨時代理が任命され、代理が農水大臣の職務を代行することになります。今回、臨時大臣に任命されたのは、7日閣議概要によると、福島みずほ特命担当大臣だったようです。

原口大臣はtwitterで2日前に、口蹄疫対策に関する呟きをしています。以下引用。


【ありがとうございます。後手ではありません。発生後、すぐ私は指示をしています。風評被害が大きくなれば、さらに大きな被害となります。畜産と言う産業の性質上の問題もご考慮ください。(自民党支持者の批判に対しての返事)】


Q:農水大臣の役割はどうなっているの?

法律では、重大な被害が恐れがある場合、大臣自ら指示できると記してありますが、義務とは書いてありません。防疫指針では「移動の制限等の規制は、法第32条第1項、第33条及び第34条の規定に基づき、都道府県知事が規則を定めて行うことを原則とするが、制限が広範囲の地域に及ぶ場合等必要があるときは、農林水産大臣都道府県知事に対し、これらの規制措置を実施すべき旨を指示し、又は法第32条第2項の規定に基づき、自ら区域を指定し、家畜及びその死体等の移動を制限する。」と書かれています。

国、自治体、畜産業者自身等のそれぞれの役割については「家畜伝染病予防法」と「口蹄疫に関する特定家畜伝染病防疫指針」並びに「口蹄疫に関する特定家畜伝染病防疫指針に基づく発生予防及びまん延防止措置の実施にあたっての留意事項」を参照してください。

Q:国は全く対応していない?

法律で定められた最低限の対策はしているはずですが、国、自治体、畜産業者自身等の対応については、今後しっかり検証されるべきことです。公式発表のものですが、農水省防衛省の対策について関連URLを貼っておきます。

http://www.maff.go.jp/j/syouan/douei/katiku_yobo/k_fmd/index.html

宮崎県において発生した口蹄疫への対応に係る災害派遣について(防衛省

http://www.mod.go.jp/j/press/news/index.html


Q:国の初動対応が遅れたからここまで被害が大きくなった?

国の対応について、問題がある部分があれば指摘されて今後に生かされるべきですが、前述の通り、法律で基本的に自治体が対策をするよう定めているので、まず自治体の対応が重要になります。なので、国だけでなく県の対応も検証される必要があります。

暇があれば、00年のケースと今回のケースとの対応の違いをまとめたいと思います。

一つだけ気になる事を書いておくと、00年の口蹄疫ウイルスは非定型的で、空気感染の可能性が低い上、従来のウイルスと比べて感染力が極めて弱かったので、幸い被害が少なかったという面があるらしく、単純に比較できない部分があると思います。以下、00年の口蹄疫に関する資料。

http://www.niah.affrc.go.jp/disease/FMD/taiou.html

http://www.sat.affrc.go.jp/special_pgm/FMD_Japan_review.htm

また、東国原宮崎県知事は、「家畜伝染病予防法」並びに「口蹄疫に関する特定家畜伝染病防疫指針」自体に問題があるのではないかとして、見直しを求めています。


Q:不都合な情報を隠すために報道規制がされているのでは?

表向きには報道規制されているという事実はないはずです。上記で紹介した原口大臣の呟きから、「原口大臣が報道規制をしたことを認めた」と一部で受け止められていますが、真偽は定かではありません。

5月11日追記:原口大臣が本日ツイッターで、報道規制をしているというような事実はありませんと呟いています。

http://twitter.com/kharaguchi/status/13749873726


ただ、報道規制はありませんが、人が感染を広めることから、報道関係に対し、「現場での取材は厳に慎むようにしてください」と、国や県が協力をお願いしています。

新聞サイトでは公式発表を元に逐一報道されているように思いますが、映像が無いことからテレビでは報道されにくい面があるのかもしれません。僕が本日見たテレビでは、宮崎県提供の映像が使われていました。

Q:消毒剤を韓国に全部あげちゃったから国の備蓄は無い?

農林水産省勤務の原田英男さんのツイッターによると、「国が消毒薬を保有している(た)ことも何処の国であれ譲渡したこともない。」ということです。

http://twitter.com/hideoharada/status/13508968579

追記:4月22日の農林水産政策会議の概要によると、日本にあるビルコンSについては、韓国が買い占めた可能性が高いとあります。

Q:中央畜産会が事業仕分けされたせいで、対策のお金が出ない?

中央畜産会の基金でカットされたのは、「産業動物獣医師修学資金基金」と「畜産特別資金融通事業基金」だけで、疾病対策に関する、「家畜疾病経営維持資金融通事業」や「家畜防疫互助基金造成等支援事業」は仕分けされていません。

Q:日本の畜産業がこのままでは全滅?

予断は許されない状況ですが、現在のところ2つの発生箇所(ポポイ注・これはこの文が書かれた時の数字です)に感染は留められています。発生箇所をまとめている、Googleマップを紹介します。

http://maps.google.co.jp/maps/ms?cd=2&ie=UTF8&oe=UTF8&msa=0&msid=103101097783275073929.000485d8ff7f0abb64dbf 》



宮崎牛 エース級種牛感染疑い
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=1216924&media_id=2
http://mainichi.jp/seibu/news/20100522sog00m040004000c.html

口蹄疫:エース級種牛1頭、感染の疑い 宮崎県が殺処分方針 残り5頭の扱い協議

ワクチン接種の補償についての会見で言葉を詰まらせる東国原英夫・宮崎県知事。右は山田正彦副農相=宮崎県庁で21日午後9時25分、和田大典撮影 宮崎県で家畜伝染病の口蹄疫(こうていえき)が多発している問題で、国の特例措置で西都市に避難していた「宮崎牛」のエース級種牛6頭のうち1頭が口蹄疫に感染した疑いがあることが、21日分かった。2回の遺伝子検査でいずれも陽性を示したという。6頭は、県家畜改良事業団(同県高鍋町)が宮崎牛ブランドを守るため生産している人工授精用の冷凍精液の約9割を賄っており、仮に感染が判明すれば、宮崎牛ブランドに致命的な打撃となるのは必至だ。

 県はこの1頭を殺処分する方針。残り5頭の扱いについては、農林水産省と協議している。

 県が避難させた種牛は「福之国(ふくのくに)」、「勝平正(かつひらまさ)」などの6頭。6頭を管理していた県家畜改良事業団は、感染農家から半径10キロ以内の移動制限区域内にあるが、県は13日、ブランド保護の観点から、事業団から北西に約24キロ離れた西都市の簡易畜舎に、特例で避難させた。この時点で県は6頭について「感染の疑いがないことが確認された」としていた。

 だがその2日後、同事業団で感染が確認され、次代を担う種牛49頭を含む308頭が殺処分された。

また21日には、6頭が避難した西都市でも感染疑いのある牛が発見された。この牛が発見された農家は、種牛が避難している簡易宿舎から約20キロ離れており、県は当面、6頭を簡易宿舎にとどめる方針だった。

 6頭は避難から1週間後の経過観察では感染を確認できなかったが、その後に感染疑いが出た形だ。ただ、農林水産省によると、6頭は1頭ずつ隔離された状態で管理されており、1頭の感染がただちに6頭全体に拡大するとは限らない。

 ◇きょうワクチン接種開始
 宮崎県の東国原英夫知事は21日夜、県庁で記者会見し「農家の思いを考えると沈痛だが、強い決意のもと、国の決定に従う」と述べ、政府の追加支援策とワクチン接種を受け入れた。22日から接種を開始する。

 追加支援策は▽殺処分する家畜の農家に支払う奨励金は、家畜を個別に評価し評価額の全額を支払う▽飼育再開までの生活支援費や処分までの飼育コストを国が負担−−など。山田副農相から支援策の提示を受けた東国原知事は、地元町長らとの協議の上、ワクチン接種と殺処分を受け入れた。

 知事は会見で「農家の皆さんに負担をかけ断腸の思いだが、ぜひ理解と協力をお願いしたい」と強調。さらに「補償については懸念も残っている。今後も国と協議していかなければならない」と述べた。

 ◇「畜産界のため協力を」 東国原知事、涙で訴え
 ワクチン接種後に殺処分−−。家畜伝染病の口蹄疫(こうていえき)問題で、宮崎県は21日、国の新たな防疫対策の受け入れを表明した。健康な家畜も含めて処分するという「苦渋の決断」。記者会見した東国原英夫知事が、記者会見で思わず声を詰まらせる場面もあった。

 普段は明るい「宮崎のセールスマン」が涙ぐんだ。午後9時20分過ぎから県庁で始まった記者会見。東国原知事は「必死になって努力されている農家の皆さんに、極めて大きな負担をかける。本県、ひいては日本の畜産を守るために断腸の思いでありますが、ぜひとも理解と協力をお願いしたい」と訴えた。

 ワクチンを接種された家畜は、全頭が殺処分される。対象となる「口蹄疫発生地から10キロ圏内」には、牛だけで約7万9000頭もいる。東国原知事は「農家の思いを考えると沈痛だ」と思いを寄せる一方「強い決意の下、国の決定に従ってワクチン接種を実施したい」と強調。自ら接種の現場に立ち会う考えも示し「お礼とおわびを申し上げたい」と神妙な表情で語った。

 地元自治体の首長らとの協議で「さまざまな意見が示された」とあえて披露し、地元の苦しみを強調した知事。会見では鳩山由紀夫首相に対し「農家の思いをしっかり感じて、国民にメッセージを発してほしい」と、切々と訴えた。会見に同席した山田正彦副農相はワクチン接種と殺処分に「お許しいただきたい」と神妙な表情を見せつつも「ここは思い切ってやらなければ封じ込められない。一刻も早く(接種を)という気持ちだ」と、農家側の協力を求めた。【古田健治、、石田宗久、小原擁、澤本麻里子】

2010年5月22日》


当方の関連日記 (有益な頁へのリンク多し)
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1483516545&owner_id=631443
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1486483714&owner_id=631443
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1489495996&owner_id=631443