「たかが漫画」と思う人が多いのだな。

規制派だけでなく、無関心な人にも。

そして、規制したがる方々は。
根絶・隔離出来れば安心と言うより、貶めることが出来る何かが有れば、安心できるのですかね。
かつてはむしろ弾圧される側だった筈の小説家を見るにつけ、そう思います。


追記。

 某所に書き込んだコメントですが、まとめになっている様な気がするので、手を加えた上で、改めてこちらに。


 石原大先生の「芸術」(ワライ)を始めとする小説は、規制から除外しても良いと判断する理由は、石原大先生とその支持者の皆さんの脳内の、何処に有るのですか?

 性的な物以外にも、インモラル(殺人、戦争、暴力、諸々)とされるものを含んだ虚構は、この世にごまんと有りますが、それら全てを規制すべきとお考えで?(例えば、古い儒教的道徳観念で言えば、尊重すべき読み物は詩と史書だけであって、小説も講談も俗悪で軟弱なものです)。

 そうではないとしたら、漫画(&アニメ、ゲームなど、比較的新しいヲタク文化)だけ、或いは、性的な(性犯罪関係や近親相姦関係の)物だけ、槍玉に挙げておいでの理由は何処ですか?

 また、(性)犯罪や、近親相姦(尚、これ自体は別に犯罪でもなんでもない)と、マンガその他の虚構の因果関係の立証は、当然なさっておいでですよね? 
 学問上、「環境犯罪誘引説」は概ね否定され、「限定効果論」が主流なのですが。
 未立証とすれば(因果関係有りと主張されたいなら、その立証責任はそちらに有ります)、そうした事を等閑にしておいて、表現の自由を否定するような事を語って良い訳は無いですよ?

 石原大先生とその支持者、即ち規制派の皆さん、或いは、問題に無関心な「中立」の皆さん。
 「禁欲主義 教育 アメリカ」でおぐぐり下さい。
 かの国がろくな事になっていないことがお判りになれるかと存じます。

 アメリカや欧州諸国に対し、日本が如何に安全な国であるかも、調べればすぐに判る事です。
 尚、そんな日本において、多少は存在する、子供に対する犯罪は、性的なものを含め、その大半は、近い身内によるものです。

 漫画やアニメやゲームに、そして虚構に濡れ衣を被せる前に、考えるべき事が有ろうかと存じます。


 そして、この問題は、規制の槍玉にあがっている(多分、所謂「えろまんが」の、その大半は、既に、自主規制により成年指定され、ビニールに掛けられ、或る程度は棚分けされているのですが)(尚、私個人は、こうしたゾーニングも、不当な表現規制として否定する立場です)作品だけでなく、グレーゾーンの多くの作品も引っ掛かりかねません。
 例えば、「ベルセルク」。
 主人公が少年時代、養父に強姦される場面が有ります。
 アウトです。

 ちなみに、お隣の韓国では、続き物の作品が、或る巻は成年指定、別の巻は全年齢扱いで無問題という処置を受け、それはそれは不自然な状況になっているそうです。売り場的には、いっそまとめて成年指定して貰った方が楽だそうで(これも重要な要素ですが、都条例改正案は、或いは自民党固執している「青環法案」は、書店・コンビニ側の物理的負担も考えていない法令です)。

 単純に棚分けされるとしても、それだけで、売り上げは減ります。
 商品である以上、売りにくい物は出しにくい道理です。

 販売店側としては、面倒な物は最初から入れないという選択肢も有り得ます。或いは、最初から規制を無視する店作りをしてしまう可能性も有る事でしょう。

 また、都から「不健全指定」を一定回数以上受けた場合、出版物の問屋である「取次」が、扱ってくれなくなります。
 よって、事実上の絶版状態に追い込まれます。

【知事は、図書類発行業者であつて、その発行する図書類が第八条第一項第一号又は第二号の規定による指定(以下この条において「不健全指定」という。)を受けた日から起算して過去一年間にこの項の規定による勧告を受けていない場合にあつては当該過去一年聞に、過去一年間にこの項の規定による勧告を受けている場合にあつては当該勧告を受けた日(当該勧告を受けた日が二以上あるときは、最後に当該勧告を受けた日)の翌日までの間に不健全指定を六回受けたもの又はその属する自主規制団体に対し、必要な措置をとるべきことを勧告することができる。】


 そうした危険性が有ると言う認識は、作家や出版社を萎縮させ、現在なら世に出ている筈のものが、この表現規制法令が出て以降は、発行されなくなっていることも有り得ます。
 数年後、仮に、この法令は違憲であるとの裁判所の判決が確定したとしても、そこまでの間に失われる膨大な可能性は、計り知れない物があることでしょう。

 「担当者による恣意性が強い故に、ドル箱作品は除外される」という意見も有る様ですが。

 「ドル箱作品以外は規制されていいのか」
 「その意見の持ち主が、規制論者であるとして。ドル箱作品ならば、規制すべき作品でも目こぼしされていいと考えているのか。そのブレは何事か」
 「萎縮効果を考えていない」
 などの反論が考えられます。

 漫画・アニメ・ゲームの次は、小説かもしれません(現時点の都条例改正案においては、映画・小説は、 ど う い う 訳 だ か 、除外されているようですが)。

 メディア全般が、危険なのです。

 この問題に、あまりお詳しくない皆様。
 ネットで検索されれば、詳しいページが幾らでも見付かります。
 当日記の過去のものにも、或る程度、まとめてあります。
 宜しければ、ご調査とご高覧を願えましたら幸いです。




・都条例改正 漫画家ら反対表明
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=1422520&media_id=2